完熟と未熟のあいだ(7) 負けるなヘチマ!(最終回)

九州南部や沖縄では、ヘチマを食べます。

と言うと、え? ヘチマ?
と驚く人もいますが、長さ20㎝程度の未熟果を味噌汁の実に使ったり、
味噌と一緒に煮たりして、日常的に食べるのです。

沖縄に行くと、食堂などでも定番メニューになっていることが多いので、
食べたことのある人もいらっしゃることでしょう。
わずかなぬめりが特徴で、くせのない淡白な味わいがおいしく、私は大好物です。
(ちなみに沖縄ではヘチマを「ナーベラー」と言います)

どんな料理かお見せしたかったのですが、ごめんなさい、
手元にヘチマの味噌煮の写真がありません。
代わりにこんなサイトを見つけたので、勝手にご紹介しちゃいます。
ごーやーどっとネット 沖縄料理レシピ

まだ全国的にはヘチマを食べる習慣がないため、
沖縄以外で野菜売り場に並ぶことはほとんどなく、残念な限りです。

でも、ヘチマ料理が好きな私としては、ゴーヤーがここまで全国区になった今、
次に来るのはヘチマに違いない、と思っています。
というか個人的に願っています。

負けるなヘチマ!

ということで、全7回に及んだ「完熟と未熟のあいだ」も、そろそろ幕を
閉じようと思いますが、最後にもう一つだけエピソードをお伝えしましょう。

知り合いが畑で野菜作りをしているのですが、
いつだったか、こんなことを話してくれました。

「キュウリは普通20㎝ぐらいで収穫しろと言うけど、30㎝ぐらいまでは
十分美味しく食べられるし、火を通す場合は、40㎝前後のほうが、
むしろ美味しいかもしれない。さすがに皮やタネが気になるから、
皮をむいてタテ半割りにしてから、スプーンでタネをとってから使うけど、
炒めたり煮たりしても、けっこうおいしい」

これもまた野菜の「完熟と未熟のあいだ」について考えさせられる話ですね。
実際、キュウリは40㎝ぐらいになると少し水分が抜けるので、
加熱したときに水けが出すぎず、いい具合に仕上がります。

つまり、一般に知られている収穫適期の熟し具合や大きさは、
あくまでも「標準値」でしかない、ということなのです。
そこから外れると、確かにおいしくなくなる場合が多いのですが、
利用方法によっては、逆においしく感じることもある、ということですね。

例えば花ズッキーニやベビーコーンのように、通常よりも小さい段階で収穫すれば、
ベビー野菜としてサラダの材料など使えて、おいしく食べられる野菜もあります。

花が咲いて間もないミニミニキュウリなどは見た目も可愛いし、
それなりにキュウリの味もします。料理の付け合わせにしたりすれば、
食卓に花を添えること、請け合いです。

ただし、それを実際に食べようとすると、自分で野菜を育てなければなりません。
残念ながら、規格から外れるものは一部の野菜を除いて流通には乗らないからです。
これらはいわば、家庭菜園をする人だけの楽しみです。

だから皆さんもぜひ、野菜を自分で育ててみてください。

野菜作りに取り組む皆さんが、思わぬ味の発見に至らんことを祈りつつ、
「完熟と未熟のあいだ」をおしまいにすることとします。

さて、7月から3か月間に渡りお届けしてきた「ひまつぶし野菜夜話」ですが、
秋の菜園作業がスタートするため、私も野菜作りに精を出さなければいけません。
ひとまずここでお休みとさせていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうごいざいました。

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ひまつぶし野菜夜話

食べればおいしい野菜を、読んで味わう面白ひまネタ。よく噛んでどうぞ。

このブログの人々

加藤雅也

『NHKやさいの時間』編集長

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