歯周病③

前回まで、歯周病の恐ろしさについて、「片平歯科クリニック」(東京・渋谷区)の片平治人院長に解説していただきました。第三回となる今回は、“診断と治療法”。
そこでまずは、歯周病の診断法について片平院長に語ってもらいます。

「歯周病の診断のための基本的な検査は、歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)の深さと出血の測定や、歯のぐらつきを診る方法です。歯周ポケットの深さが3ミリ以下で出血がなければ問題なし、出血がある場合はまだ早期の歯肉炎ですが、4ミリ以上のポケットがあれば、歯周炎と診断されます。また、唾液に含まれる歯周病菌の種類や数を検査することでリスク判定する場合もあります」
 
これまでも繰り返し書いてきましたが、歯周病も早い段階では自覚症状はありません。片平院長によると、早期の歯肉炎程度であれば正しいブラッシングを徹底することで改善に向かうこともあるとのこと。しかし、その段階を過ぎてしまうと、本格的な治療の対象となってきます。

「歯周病の治療の基本は“除菌”ですが、他の因子としてたばこや歯ぎしりなどのコントロールも行うので、医師と患者が共同で治療を進めていく必要が出てきます。歯周病菌は、歯周ポケットの中で繁殖し、“バイオフィルム”という膜を張って自分たちの身を守っている。そこで、ポケット内のバイオフィルムや歯石を短期間に機械的に一掃する治療が行われます。その間は正しいブラッシングによるホームケアはもちろん、抗菌剤による化学的除菌を併用する場合もあります」

この段階で、治療の再評価の歯周病検査が行われます。ここまで患者自身が真面目に取り組めば状態はかなり改善すると片平院長は言いますが、歯ブラシが届かない深いポケットが残った時には、次のステップとして“歯周外科手術”が待っています。

「手術と言っても大掛かりなものではなく、歯科医院で行われる治療です。必要な範囲の歯茎を切開して歯根の周囲を徹底的に掃除し、時には感染した歯肉を切除することもあります」
 
歯周病の治療は、時には長期的な取り組みとなることも覚悟しなければなりませんが、近年歯周病の分野でも再生療法など新しい治療法の開発が進み、その人に合った治療法が選べるようになってきました。しかし、いずれの場合にも相応のリスクを伴う場合もあるので、簡単な治療で済む早期段階で対処するのが得策のようです。

長田昭二(おさだ・しょうじ)医療ジャーナリスト。1965年東京都生まれ。日本大学農獣医学部を卒業後、新聞社、出版社勤務を経て2000年よりフリー。新聞、雑誌の他、ラジオ、ウェブ、市民公開講座などを通じて医療情報を発信する。著書に「病院選びに迷うとき~良医と出会うコツ」(生活人新書)、「放っておくとこわいストレス、あぶない病気」(東洋経済新報社)他。ブログは「長田昭二の備忘録」。日本医学ジャーナリスト協会会員。
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イラスト・クスノキミワ

このブログについて

この症状にはこの治療?!

この症状、ただの疲れか、重病か?今すぐ病院に行くべきか否か…

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長田昭二

(おさだ・しょうじ)医療ジャーナリスト。1965年東京都生まれ。日本大学農獣医学部を卒業後、新聞社、出版社勤務を経て2000年よりフリー。新聞、雑誌の他、ラジオ、ウェブ、市民公開講座などを通じて医療情報を発信する。著書に「病院選びに迷うとき~良医と出会うコツ」(生活人新書)、「放っておくとこわいストレス、あぶない病気」(東洋経済新報社)他。ブログは「長田昭二の備忘録」。日本医学ジャーナリスト協会会員。

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