歯周病④

三回にわたって歯周病について解説してきましたが、最高最良の対策は予防につきる――ということがご理解いただけたと思います。

そこで最終回の今回は、歯周病の効果的な予防法について「片平歯科クリニック」(東京・渋谷区)の片平治人院長にお話ししていただきます。

「まず何より重要なのが、信頼できるかかりつけの歯科医院を持つこと。選ぶポイントとしては、歯周検査をしているか、そして歯科衛生士がきちんと歯ブラシ指導をしてくれるか、そして、もし歯周病を発症していた場合、患者個々に合わせたトータルの治療計画を立ててくれるか、治療後のメンテナンスや定期検診を実施しているか――の4点」

その上で、片平院長が最も重要視しているのは、自宅で行う“ホームケア”です。

「自己流の歯みがき法は、当人は磨いているつもりでも、実際は磨けていないことが多い。歯科衛生士の指導の下で、その人に適した効果的なプラークコントロールの方法を習得するのが理想です。正しいホームケアが一度身についてしまえば、次第に口の中の細菌バランスも改善していきます」
 
また、意外なことに歯周病の発症には、ストレスも関係することがあります。

「ストレスを受けると唾液の分泌が減ることで自浄性が損なわれ、口の中の細菌が繁殖しやすくなります。しかも、ストレスで歯を食いしばったりすると、過重な力で歯がぐらつき、歯肉との間に隙間ができてしまうことも……。その隙間に細菌が入り込んで、歯周病が進行していくのです。加えて、タバコも歯周病の重大なリスクファクターなので、ストレスで喫煙量が増えるのは避けたいところ。上手にストレスを発散させることが、じつは歯周病予防の上でも重要なのです」
 
その上で、片平院長が強調するのが、自分一人の問題として考えるのではなく、“家族ぐるみ”で対策を講じること。

「歯周病は細菌感染症なので、母子間や夫婦間の感染も十分に考えられます。家族に一人歯周病患者がいれば、家族の皆が感染のリスクを抱えていることになるのです」
 
前回も書いた通り、歯周病は口の中の問題にとどまらず、全身疾患の発症リスクを高める非常に危険な病気です。あなた自身はもちろんですが、大事な家族の健康を考える上でも、決して見過ごすことはできない問題。ぜひ真剣に、家族で一丸となって対策を講じて下さい。

長田昭二(おさだ・しょうじ)医療ジャーナリスト。1965年東京都生まれ。日本大学農獣医学部を卒業後、新聞社、出版社勤務を経て2000年よりフリー。新聞、雑誌の他、ラジオ、ウェブ、市民公開講座などを通じて医療情報を発信する。著書に「病院選びに迷うとき~良医と出会うコツ」(生活人新書)、「放っておくとこわいストレス、あぶない病気」(東洋経済新報社)他。ブログは「長田昭二の備忘録」。日本医学ジャーナリスト協会会員。
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イラスト・クスノキミワ

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この症状にはこの治療?!

この症状、ただの疲れか、重病か?今すぐ病院に行くべきか否か…

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長田昭二

(おさだ・しょうじ)医療ジャーナリスト。1965年東京都生まれ。日本大学農獣医学部を卒業後、新聞社、出版社勤務を経て2000年よりフリー。新聞、雑誌の他、ラジオ、ウェブ、市民公開講座などを通じて医療情報を発信する。著書に「病院選びに迷うとき~良医と出会うコツ」(生活人新書)、「放っておくとこわいストレス、あぶない病気」(東洋経済新報社)他。ブログは「長田昭二の備忘録」。日本医学ジャーナリスト協会会員。

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