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肺炎③

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前回までは、肺炎の種類、原因、診断法などについて、大阪厚生年金病院呼吸器内科の鈴木夕子先生に伺ってきました。今回は鈴木先生に「治療法」についてお聞きしましょう。

必要な検査を経て「肺炎」と診断されたら、どんな治療が行われるのでしょう。

「肺炎治療の柱は投薬。肺炎と診断されたら、病原微生物を死滅させる働きを持つ抗菌薬の投与を行います。抗菌薬にはペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、マクロライド系、ニューキノロン系と数多くの種類があり、病原微生物が特定できている時はそれに最も適した抗菌薬が、また病原菌の特定まで至ってない場合も、症状や年齢、発症時期などの条件を総合的に判断して、より効果の高いと思われる薬が選ばれます。こうして病原体を攻撃しながら、一方では咳を鎮める薬や解熱薬、また痰を出しやすくする薬などを併用して、症状を和らげる取り組みも行います」
 
肺炎というと、病院に入院しての加療というイメージがありますが、鈴木先生によると、最近は少し状況に変化があるようです。

「たしかに以前は、肺炎治療は入院が原則でした。その理由として治療薬のメインが注射薬だったことが挙げられます。しかし、近年は経口薬でも優れた抗菌薬が開発されてきました。そのため、患者さんの状態によっては外来で飲み薬を処方し、自宅での療養も可能なケースが出てきました。もちろんそれは、経口薬が使える、食事が摂れる――といった条件をクリアできた時の話で、水も食事も摂れないケースや、酸素投与が必要な人は入院して治療を受けることになります」
 
第一回目でも書きましたが、肺炎は脳卒中を抜いて日本人の病気の死因第三位になりました。この背景には、世界に類を見ない速度で高齢化があると指摘されています。

「肺炎による死亡の97%は65歳以上。つまり、この病気はとりわけ高齢者にとって非常に危険な病気なのです。高齢になると体力や免疫力が落ちてきますが、その他にも様々な機能が低下します。特に重要なのが“嚥下機能”。元気な人なら、たとえ食べた物が誤って肺のほうに入り込んでも、咳をして外に戻すことができます。しかし、高齢者はその機能が落ちているので、食べ物や口の中の病原微生物が気管を通して肺に入り込みやすくなるのです」
 
加えて、高齢者の多くは何らかの基礎疾患を抱えています。こうしたことから、高齢者は肺炎にかかりやすく、かかったら重症化しやすいのです。
 
そこで最終回の次回は、「肺炎にかからないためにはどうしたらいいか」について考えます。

長田昭二(おさだ・しょうじ)医療ジャーナリスト。1965年東京都生まれ。日本大学農獣医学部を卒業後、新聞社、出版社勤務を経て2000年よりフリー。新聞、雑誌の他、ラジオ、ウェブ、市民公開講座などを通じて医療情報を発信する。著書に「病院選びに迷うとき~良医と出会うコツ」(生活人新書)、「放っておくとこわいストレス、あぶない病気」(東洋経済新報社)他。ブログは「長田昭二の備忘録」。日本医学ジャーナリスト協会会員。
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この症状にはこの治療?!

この症状、ただの疲れか、重病か?今すぐ病院に行くべきか否か…

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(おさだ・しょうじ)医療ジャーナリスト。1965年東京都生まれ。日本大学農獣医学部を卒業後、新聞社、出版社勤務を経て2000年よりフリー。新聞、雑誌の他、ラジオ、ウェブ、市民公開講座などを通じて医療情報を発信する。著書に「病院選びに迷うとき~良医と出会うコツ」(生活人新書)、「放っておくとこわいストレス、あぶない病気」(東洋経済新報社)他。ブログは「長田昭二の備忘録」。日本医学ジャーナリスト協会会員。

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