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玉ねぎ炒め至上主義は、いつから?

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カレー作りに置いて、玉ねぎを炒める、という行為が大きな顔をし始めたのは、いったいいつごろからなんでしょうか?

最近、私はそんな疑問を抱えて日々、悶々としています。それはあることがキッカケでした。老舗の洋食店を取材したときのことです。そのお店にはカレーのメニューがあって、私は個人的にすごく好きなのですが、その店のカレーは、玉ねぎ炒めをしてないんです。

その代わりにしていることは、カレー粉と小麦粉をオーブンで4時間かけて焼くことでした。

シェフの話によれば、「玉ねぎをあめ色に炒めるなんていうのは、カレー粉をオーブンで焼く手間をかけたくない怠け者のやることだ」と。

この発言には驚きました。世の中ほとんどの人は、玉ねぎをあめ色になるまで炒めることこそがカレーにおける手間を惜しまない人のやることだと思っているはずです。それなのにあめ色玉ねぎが手抜きだなんて……。

そこで、あれこれと考えを巡らせた私は、ひとつの仮説にたどりついたんです。日本のカレーはもともと玉ねぎを炒めてなかったんじゃないだろうか。日本のカレーはイギリスから伝わっています。イギリスでカレーが生まれた経緯を考えると、玉ねぎ炒めはなかった可能性があります。

まだ詳しくは語れませんが、僕の仮説では、おそらく玉ねぎ炒めは、フランス料理のテクニックか、インド式のカレーの作り方が日本に入ってくることによって、後発で注目されたプロセスなんじゃないかと思っています。

このことについてはまた改めて別の機会にじっくり書くことができればと思っています。

撮影・水野仁輔 2012年インド

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あしたの『カレーの教科書』

『カレーの教科書』には書けなかった、カレーの奥深さを語る。

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水野仁輔

みずの・じんすけ◎カレー研究家。1974年、静岡県生まれ。
1999年に出張料理集団「東京カリ~番長」、2008年に日印混合インド料理集団「東京スパイス番長」を結成。これまでのカレーの出張料理の活動は300回を超える。
『カレーの法則』『カレーの鉄則』(ともに小社刊)をはじめ、カレーに関する著書は30冊以上。そのほか自らカレーに特化した出版社「イートミー出版」を立ち上げ、マニアックなカレー本の制作を行なっている。
2013年5月に、これまでのカレー研究の全てを記した『水野仁輔 カレーの教科書』(小社刊)を刊行。

★『あしたのカレーの教科書』、第1シーズンはこちら

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