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煮込みは時間が解決してくれる

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長い時間煮こむことによるデメリットの話をしていると、なんだか、煮込むことはあまりよくないことだ、というような印象を持たれてしまうかもしれません。

そんなことはないんです。矛盾するような話かもしれませんが、煮込み時間が解決してくれるという経験を何度もしているからです。

途中の味見の段階で、イメージ通りの味が出ていない。イマイチだなぁ、と思いながら煮込み始める。10分して味見。イマイチ。20分して味見。イマイチ。30分して味見。イマイチ。40分して味見をしたら、突然、「うまい!」となる。こんな魔法のようなことがあるんです。

30分と40分の間に何が起こったのかは解明することはできていません。でも、肉の味がソースに溶け込んで味の印象がガラリと変わるようなことが実際にあるんです。

インド料理では、よくインド人シェフが、煮込みが完了した目安として、「オイルがセパレートしたらオーケーね」という場合があります。このオイルがセパレート、という現象は、30分でイマイチだったカレーが40分でうまい!に変わるタイミングの見極め方のひとつの目安を言っているんだと思っています。

私がカレーを作るときに考えるのは、どういうカレーにしたいのかです。それによって煮込みの時間は変わってきますから。どのタイミングで煮込みを終えるのかについて、私にはまだ正解が完全にわかっているわけではありません。

「オイルがセパレート」以外にいくつか別の判断基準を持てるようになりたいなと考えています。

撮影・水野仁輔 2012年インド

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あしたの『カレーの教科書』

『カレーの教科書』には書けなかった、カレーの奥深さを語る。

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水野仁輔

みずの・じんすけ◎カレー研究家。1974年、静岡県生まれ。
1999年に出張料理集団「東京カリ~番長」、2008年に日印混合インド料理集団「東京スパイス番長」を結成。これまでのカレーの出張料理の活動は300回を超える。
『カレーの法則』『カレーの鉄則』(ともに小社刊)をはじめ、カレーに関する著書は30冊以上。そのほか自らカレーに特化した出版社「イートミー出版」を立ち上げ、マニアックなカレー本の制作を行なっている。
2013年5月に、これまでのカレー研究の全てを記した『水野仁輔 カレーの教科書』(小社刊)を刊行。

★『あしたのカレーの教科書』、第1シーズンはこちら

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