カレー調理技術の最新型とは

『カレーの教科書』で私が書いてきたことは、私自身がよりおいしいカレーを作りたい、という気持ちからカレー調理技術について、試行錯誤してきた内容をまとめたものです。

おもに現在、カレーの世界でまことしやかに言われているテクニックやコツについて、疑ってかかり、納得するまで何度も検証し、実感できたものを整理して体系化してきました。だから、現時点では、ある見かたにおいては、最も精度の高い教科書であると自負してはいます。

日本のカレーの最新型について、手を尽くして分析したわけだから、それくらいのものであってくれなければ寂しい。ただ、だからといって、日本のカレーの最新型が最良の姿であるかどうかは別問題。ここがとっても悩ましいことだなと思うのです。

日本におけるカレーは、長い歴史の中で、足し算と引き算を繰り返してきました。愚直な作業に効率化のメスが入り、技術が洗練され、数々の失敗が積み上がってできた山の上に立って、今、我々はカレーを作っています。でもそこには進化している点もあるし、同時に退化している点もあるんじゃないのか、と思うのです。

時代が変わると味の嗜好は変わり、求められる料理の形も変わります。それに応じてカレーは色々と姿を変えてきたし、これからも変わっていくんだと思います。だから、結局、カレーに正解はない、という話になってしまう。でも私は、カレーに正解を出したい。

じゃあ、いったい、どうしたらいいんでしょう?

ひとつだけ、私には解決策があります。それは次回に。

撮影・水野仁輔 2012年インド

このブログについて

あしたの『カレーの教科書』

『カレーの教科書』には書けなかった、カレーの奥深さを語る。

ブログ著者

水野仁輔

みずの・じんすけ◎カレー研究家。1974年、静岡県生まれ。
1999年に出張料理集団「東京カリ~番長」、2008年に日印混合インド料理集団「東京スパイス番長」を結成。これまでのカレーの出張料理の活動は300回を超える。
『カレーの法則』『カレーの鉄則』(ともに小社刊)をはじめ、カレーに関する著書は30冊以上。そのほか自らカレーに特化した出版社「イートミー出版」を立ち上げ、マニアックなカレー本の制作を行なっている。
2013年5月に、これまでのカレー研究の全てを記した『水野仁輔 カレーの教科書』(小社刊)を刊行。

★『あしたのカレーの教科書』、第1シーズンはこちら

このブログの人々

水野仁輔

ブログ最新記事