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日本のカレーのルーツが知りたい

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今年の5月17日から更新を始めた「あしたのカレーの教科書」も、今回で最終回です。ちょうど100回目の更新になります。

カレーのルーツは、インド料理です。

このことは、日本人のほとんどが認識している事実ですね。

でも、皆さんが知るインド料理と、家庭や学校の給食で食べているカレーとは全く違う食べ物ですよね。あのインド料理が家のカレーになったとしたら、その間にどんな変化があったのか、想像つきますか?
普通の人は、全く想像がつかないと思います。

なぜなら、日本のカレーのおおもとのルーツはインドにありますが、実際にはその手前にイギリスという国の存在があるんです。このことは、信じられないくらい日本では知られていません。いや、日本のカレーがイギリスから伝わったこと自体は、「聞いたことある」という人が結構いるかもしれません。

でも、そのイギリスのカレーはどんなカレーだったのか? 日本でどのように成長していったのか? たぶん、誰も知らないんです。私は、それが知りたい。

だから、2014年の1月から3月まで、ロンドンに滞在してカレーの取材をすることにしました。昔ながらの英国式カレーは、どんなものだったのか? いま、イギリスのどこにそれが残っているのか? そして、インド料理から直接影響を受けたイギリスでは、どういう経緯でその味が生まれたのか? いろんな関連書物を読み漁りましたが、どこにも私の知りたい内容は書いてありませんでした。

日本で初めて紹介されたカレーのレシピは赤蛙のカレーだった、とかそういうトリビア的な情報ではなく、もっとカレーの調理技術に踏み込んだ日本のカレーのルーツをたどる旅をしてきたいと思います。

日本のカレーにとって、インド料理はおじいさんにあたります。イギリスのカレーがお父さん。我々は、おじいさんについては割とよく知っているのに、お父さんについては何も知らないんです。不思議な現象ですね。

ともかく、来年は英国式カレーを探し求めに行ってきたいと思います。

(おわり)

撮影・水野仁輔 2012年インド

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あしたの『カレーの教科書』

『カレーの教科書』には書けなかった、カレーの奥深さを語る。

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水野仁輔

みずの・じんすけ◎カレー研究家。1974年、静岡県生まれ。
1999年に出張料理集団「東京カリ~番長」、2008年に日印混合インド料理集団「東京スパイス番長」を結成。これまでのカレーの出張料理の活動は300回を超える。
『カレーの法則』『カレーの鉄則』(ともに小社刊)をはじめ、カレーに関する著書は30冊以上。そのほか自らカレーに特化した出版社「イートミー出版」を立ち上げ、マニアックなカレー本の制作を行なっている。
2013年5月に、これまでのカレー研究の全てを記した『水野仁輔 カレーの教科書』(小社刊)を刊行。

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