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イギリスのスーパーのカレー食べ比べ

あしたのカレー082

やろうやろうと思っていたカレーの食べ比べを決行しました。
ロンドンにある各種スーパーマーケットのカレーです。以前にも書いた通り、ロンドンには様々なスーパーマーケットがあります。
マークス&スペンサー、ウェイトローズ、セインズベリー、テスコなどなど……。そのどのスーパーにも「Ready to Eat」と呼ばれているカレー商品があります。たいていはチルドコーナーに置かれていて、オーブンやレンジで温めるだけでカレーが食べられるというものです。
これが、ただものではない品揃え。どのスーパーマーケットに行っても10種類近くのカレーがずらりと並んでます。悲しいことにそのすべてがもれなくインド料理で、英国式カレーはひとつもないのですが……。
プローンマサラ、マトンローガンジョシュ、バターチキン、サグパニール、ポークビンダルー……。あげたらきりがありません。これだけ市場が成熟しているわけですから、味わう価値はあると思っていました。
よし、徹底的に食べ比べをしてみよう。そこで僕が目を付けたのは、チキンティッカマサラです。イギリスが生んだアングロインディアン料理。イギリス人の国民食とも言われているものです。チキンティッカマサラはどのスーパーマーケットにも必ずあるメニュー。
これを何日もかけて買っては食べ、味を比べました。
結論としては、どの商品もよくできている。日本ではチルドのカレーはあまり主流ではありません。レトルトカレーがよく売れています。レトルトカレーは加圧殺菌をするため、風味が壊れやすい。その点、イギリスのこの「Ready to Eat」は風味が保たれるのです。だから、うまい。
ただ、各スーパーがもれなくプライベートブランドを展開しているものの、味の差は当然あります。それぞれに個性もあって楽しめました。そんなレベルの高いカレーたちの中で個人的に群を抜いてうまいと思ったのは、マークス&スペンサーのチキンティッカマサラでした。既製品でこの味を作られてしまったら、シェフは大変だろうなと思います。
カスリメティの葉が浮いたこのカレーは、香りも味もかなりのレベルでした。
イギリスにおけるインド料理の層の厚さを感じる食べ比べでした。

撮影・水野仁輔 2014年 ロンドン

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あしたの『カレーの教科書』~イギリス編

カレー番長、ロンドンに、日本のカレーのルーツを求めて

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水野仁輔

みずの・じんすけ◎カレー研究家。1974年、静岡県生まれ。
1999年に出張料理集団「東京カリ~番長」、2008年に日印混合インド料理集団「東京スパイス番長」を結成。これまでのカレーの出張料理の活動は300回を超える。
『カレーの法則』『カレーの鉄則』(ともに小社刊)をはじめ、カレーに関する著書は30冊以上。そのほか自らカレーに特化した出版社「イートミー出版」を立ち上げ、マニアックなカレー本の制作を行なっている。
2013年5月に、これまでのカレー研究の全てを記した『水野仁輔 カレーの教科書』(小社刊)を刊行。

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