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先斗町、コルドバ、ヴォーリズ

先斗町&コルドバ一本着色アップ用

9月のある日、夕暮れ時に京都の先斗町を歩いていたら、細い路地の向こうに何やら教会の鐘楼のようなものがちらりと見えました。

それはすぐに四条大橋の西詰南側にある北京料理「東華菜館」の建物と分かったのですが、先斗町から見えることに初めて気付きました。立ち止まってよく見ると、確かにそれは東華菜館屋上の塔で、左右から覆い被さる軒先のわずかな隙間から見えてます。そしてこの構図、どこかで見たな~と思い返せば、それはずいぶん前に訪ねたスペインの古都、コルドバにある通称「花の小路」の風景でした。花で飾られた細い路地の向こうにメスキータ宮殿の塔が見える風景は観光案内などでもよく目にします。

京都とコルドバ、どちらも世界遺産の古都であり、ウィリアム・ヴォーリズの建築で知られる東華菜館の意匠は、すっきりした印象が多いヴォーリズ建築のなかで珍しくスペイン・ゴシック様式。それらが何となく微妙なつながりを連想させ、ちょっと言い過ぎですが、京都先斗町から東華菜館が見える風景は「コルドバに似てるかも……」とつぶやきたくなりました。
そして「花の小路」の奥の小さな広場でスケッチしたことを思いだしながら一本描き。先斗町の方は印象を少し強調してみました。

先斗町&コルドバ一本線のみアップ用
 
東華菜館一本調整アップ用
 
東華菜館一本着色調整アップ用
ちなみに東華菜館のエレベーターは日本最古のものが現役で使われています。
夏には鴨川名物の川床も出て、屋上テラスのビアガーデンではたそがれの東山を眺めつつ昭和レトロな雰囲気のなかで、京都の旅なのにスペイン・ゴシックな中華料理店であえて枝豆と生ビール……、という軽く目眩がしそうな非日常感を体験できます。

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野村重存

1959年東京都生まれ。画家。多摩美術大学大学院修了。同大助手、美術雑誌社、美術館勤務を経て現在各地のカルチャースクールで人気講師として活躍中。NHK教育テレビ番組「趣味悠々」の「日帰りで楽しむ風景スケッチ」(2006年)、「色鉛筆で楽しむ風景スケッチ」(2007年)、「水彩で描く 日本絶景スケッチ紀行」(2009年)の3シリーズに講師として出演、テキスト執筆。著書に『今日から描けるはじめての水彩画』(日本文芸社)、『風景を描くコツと裏ワザ』(青春出版社)、『DVDでよくわかる三原色で描く水彩画』(実業之日本社)、『風景スケッチモチーフ作例事典』(大泉書店)、『日帰りで楽しむ風景スケッチ(テキストムック版)』(NHK出版)など多数。

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