淡泊な素材を取り合わせて、清楚な「ダンプリング」に

甘塩のたらと鶏ひき肉を主材料に、フードプロセッサーを使ってだんごをこしらえ、ほうれんそうでくるんで、ブイヨンで煮含めます。寒い日にぴったりの、あっさりとした、それでいて食べごたえのあるひと皿。僕の「冬の定番」です。

ちり鍋やフライでお馴染みのたら。その昔、旺盛な食欲からついた呼び名が「大口魚」で、一説によれば、「たら(・・)ふく食べる」、という言い回しもこの魚に由来すると言われます。今日は、その白く淡白な身を生かして、ダンプリング(=つみれ、団子の意)をつくりましょう。本来のダンプリングは、粉やじゃがいもをブレンドしますが、ここでは入れません。

たらは、手に入りやすい甘塩(生に近い、薄塩が望ましい)を使います。骨を抜き、適当な大きさに切ったら、同じく淡白な味わいの鶏ひき肉と合わせます。ひき肉の粘りけに加え、はんぺんをつなぎにして、フードプロセッサーでなめらかなベースをこしらえます。たらとはんぺんに塩けがあるので、塩はなし。香りづけのこしょうだけをふります。

煮上がりの口当たりを軽く柔らかくしたいので、卵白も混ぜ合わせ、4等分に。大玉です。ディナースプーンなどを使って、楕円形にまとめます。このまま煮含めても構わないのですが、清楚な白色が際立つように、色よくゆでたほうれんそうでそれぞれをひと巻きします。薄切りのれんこんも数枚用意して、ダンプリングと一緒にチキンブイヨンで静かに煮ます。

ダンプリングは火が入ると、ふくれて白くなってきます。スープごと器に盛りつけ、塩けなしのパンやクラッカーと召し上がるのがおすすめ!

清らかな姿と味わいは、冷え込む朝晩、身体と心を素直な温かさで満たしてくれます。間もなくやって来る、桃の節句にも似合いそう。いつもとは違ったタラの魅力をぜひ、お試しください。

★次回は、3/11更新の予定です。

 

 
●たらと鶏ひき肉のダンプリング

材料(2人分/4コ)
A(ダンプリング)
 たら(甘塩) 1切れ(90g)
 鶏ひき肉 80g
 はんぺん 140g
 卵白 30g(卵約1/2コ分)
 こしょう 少々
ほうれんそう 2~3本
れんこん(皮をむいて薄切り、薄い酢水につけてからざるに上げる) 4枚
顆粒チキンスープの素(洋風) 小さじ1/2
●塩

1 Aでダンプリングの生地をつくる。たらは皮を取り除き、3~4つに切る。フードプロセッサーにたら、ひき肉、はんぺんを入れて、なめらかになるまで撹拌する。
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2 1に卵白とこしょうを加えて、ゴムべらなどでサッと混ぜる。ボウルにとり出し、4等分して丸くまとめる。

3 ほうれんそうをゆでる。鍋に熱湯を沸かし、塩適量を入れて色よくゆで、冷水にとって冷ます。茎をそろえて、そっと水けを絞る。根元を切り落とす。

4 まな板にほうれんそうの葉を広げながら、表を下にして2枚ずつ、葉先を重ねるように置く。2のすりみを1つ、重ねたほうれんそうの中央にのせ、両側から葉で包む(軸は適宜、カットする)。天地を返す。これを4つつくる。
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ほうれんそうの葉が小さい場合は、4枚ひと組にして包むとよい。

5 鍋に水200mlと顆粒スープの素を入れて、火にかける。沸騰したら火を弱め、4のダンプリングとれんこんを静かに加え、4~5分間煮る。ダンプリングに火が通って、白っぽくなったら、崩さないように注意しながらダンプリングの天地を返し、さらに4~5分間煮る。
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器にダンプリングを盛りつけ、それぞれにれんこんをのせる。スープを注いででき上がり。

★ほうれんそうが余った時や、4でカットした軸の部分は、おもてなし料理でなければ、一緒に煮てもよい。その場合、長さをそろえるなど少し気を遣って美しく仕上げる。

 

●鮫島正樹(さめじま・まさき)
料理家、メニュー開発コンサルタント。1951年生まれ。故・入江麻木氏に師事、ヨーロッパ家庭料理と伝統菓子を学ぶ。1983年に独立、「フード アート アンド デザイン シィ」を立ち上げる。以降、NHK「きょうの料理」講師をはじめ、欧風家庭料理をベースとした健康派のレシピを、作る楽しみとともに発信している。近年は自らの暮らしと照らして、中高年のための食卓提案に力を注いでいる。著書に「食べてきれいになる137レシピ」、「三ッ星サラダBOOK」(ともに世界文化社刊)など。「お大事に」、と声をかけた相手からもらったようで。鬼の霍乱か、風邪でダウン。

◇小鮫(こさめ)
鮫島スタジオを取り仕切る、古参の助手。師匠にも、容赦ない毒舌を浴びせること度々。無類の甘党。この間までのチョコレートに代わって、雛菓子の出番。淡い色合い、可憐な形に足を止めることしばし。

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鮫島式 シニアごはん

料理研究家の鮫島正樹さんが、ふだんの食生活とレシピを公開します。

ブログ著者

鮫島正樹

(さめじま・まさき)料理家、メニュー開発コンサルタント。1951年生まれ。
故・入江麻木氏に師事、ヨーロッパ家庭料理と伝統菓子を学ぶ。
1983年に独立、「フード アート アンド デザイン シィ」を立ち上げる。
以降、NHK「きょうの料理」講師をはじめ、
欧風家庭料理をベースとした健康派のレシピ、作る楽しみを発信している。
近年は特に、中高年のための食卓提案に力を注いでいる。無類のワイン好き。

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