たけのこ(1)~里山近くで暮らす恩恵~

春になると、近所の山でもたけのこ掘りがさかんになります。

竹林をもつ知人に勝手に掘って持って帰ってちょうだいと言われて、最初は物珍しさもあって、娘とシャベルを担いで掘りに出かけたものですが、年が経つにつれ、足が遠のき、最近は掘ったものをいただく一方に。

季節になると、玄関先に方々からたけのこが届き、たけのこの袋が山積みになっている日は贅沢なため息が出ます。大鍋を引っ張り出して、たけのこをゆでる、ゆでる。たくさんいただいた日は友人たちに配ったりしていましたが、どうも生のままでは歓迎されないことがわかり、それからはゆでたけのこをお裾分けするようになりました。

たけのこをゆでることは、とても簡単なのですが、ゆでる時間と冷ます時間、水につけて最後のアクをとるまで2日ほどかかりますから、めんどうと思われる人も少なくありません。ですが、ゆでたてのたけのこは、それは香りもよく、姫皮や穂先はほんのり甘くて柔らかく、真ん中の部分は歯ごたえがいい。時間があるときに、生のたけのこが手に入ったらぜひゆでてみてください。

生のままですと大きく見える竹の子も、ゆで上がって皮をむいてみると、あららこんなに小さいのって驚くことでしょう。皮に大事に大事に包まれているからか、たけのこの白い肌が美しい。

生のたけのこは鮮度が命なので、根元の切り口をみて変色のないものを選んで、えぐみが出ないうちにすぐにゆでてくださいね。次回は、下ごしらえの仕方を二つ記します。ゆでるとアクは抜けますが、味も香りもやさしくなります。汁物や炊き込みご飯、煮物などにするときにおすすめです。焼くと多少えぐみは残りますが、濃い味と香りが味わえます。揚げ物によく合います。やり方はいろいろあるようですが、はじめてのかたはどうぞ参考になさってください。

 

★次回も、たけのこを取り上げます。4月19日更新予定です!

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このブログについて

飛田和緒さんの野菜とのつきあい方

人気の料理研究家が、季節の野菜とじっくり向き合っていきます。

ブログ著者

飛田和緒

料理家。1964年東京生まれの東京育ち、高校時代の数年間を長野で過ごす。現在は、湘南の街に夫、娘とともに暮らす。祖母の料理から引き継いだ東京の味、長野に住む母や友人によって知った長野の味、自身が暮らす湘南の味、その土地の素材と向き合いながら、日々の食卓で楽しめる家庭料理や保存食を作り続けている。手軽に作れるふだんのおかずで、シンプルなレシピにファンが多い。著書に『常備菜』(主婦と生活社)など多数。

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