鶏肉の中に、牛肉が?! 圧力鍋でしっとり仕上げる「チキンロール」

例年、この時期にご紹介することが多い、小さな集いのごちそう「チキンロール」。

今年は、薄切り牛肉を巻き込んだ、変化球です。赤ワインの濃厚なソースで、ちょっぴり大人っぽく。

鶏肉の中に覗くのは、なんと牛肉。口当たりの異なる二種の肉、これが不思議と合うのです。

鶏肉だけの、軽快な味わいも魅力ですが、牛肉が入ることで格段にこくが増し、しっとりと柔らかな食感が生まれます。自然のとろみを帯びた、赤ワインソースが両者をつなぎ、ところどころに散らしたレーズンの甘さが、味のアクセントとなります。

鶏もも肉の余分な皮と脂をていねいに切り取り、厚みを均等にするように包丁で切り広げ、巻きやすい形に整えるのは、通常のチキンロールと同じ。

軽く、塩、こしょうをふったら、ここからがポイント。牛薄切り肉の半量をのせます。レーズンを散らして、残りの牛肉を重ねたら、一気に手前から巻き上げて、縛ります。

でき上がったロールを、赤ワインとオリーブ油を合わせたマリネ液に浸けて、半日じっくりと寝かせ、ワインの風味を浸み込ませます。

今回は、時短と柔らかく仕上げるために、圧力鍋を使って火を入れていきます。サッと肉の周囲を焼き固め、香味野菜とマリネ液を加えて、約10分、圧力をかけます。

時間が来たら、そのまま放置して余熱で火を通し、蒸気が自然に抜けた後、チキンロールを取り出します。残った煮汁は、軽く漉して、煮詰めてソースに仕立てましょう。

ね、見た目もなかなかいいでしょう? 切り口を見せるように盛り付け、ソースを添えて。あとは、フレッシュグリーンサラダをボウルいっぱい用意すれば、集いのメインディッシュ完成です。

家庭料理のよさは、たとえばこうしたチキンロールの端っこのおいしさにあります。味見の特権は、もちろんつくり手にあり。

ぜひ、お試しください! 今年も、ありがとうございました。

鶏もも肉のロール 赤ワインソース

材料(2~3人分)
鶏もも肉 1枚(約300g)
牛薄切り肉 1~2枚(約80g)
干しレーズン(サッと熱湯をくぐらせる) 20g
にんにく(粗みじん切り) 1かけ
セロリ(薄切り) 50g
たまねぎ(薄切り) 50g
赤ワイン 250ml
塩 小さじ1/4
こしょう 少々
オリーブ油 大さじ1


 砂糖 小さじ1
 しょうゆ 小さじ1/4
 こしょう 少々

★たこ糸 適宜

1 鶏もも肉は、余分な脂肪と皮を取り除く。肉厚の部分は、外側に向かって包丁で切り広げ、厚みを均等にする。内側に、塩とこしょうをふり、牛薄切り肉の半量を広げのばす。干しレーズンを散らす。

残りの牛肉を重ねる。

手前から、一気に巻いてロールをこしらえる。


  
たこ糸で縛る。火を入れると肉が縮むので、ややきつめに縛るとよい。

2 1のロールをマリネする。ロールが9割方、マリネ液に浸るようなボウルか器(ビニール袋でもよい)に、オリーブ油の半量と赤ワインとともに入れる。

ラップをして冷蔵庫に入れ、ひと晩おく。

3 2のロールをマリネ液から取り出し(マリネ液はとっておく)、ペーパーで軽く水けを拭く。圧力鍋に残りのオリーブ油を入れて中火にかけ、にんにくを入れて香りが出てきたらロールを加え、表面をトングで返しながら焼く。
  
肉に軽く焼き色がつき始めたら、セロリとたまねぎを加え、さらに炒める。たまねぎがしんなりとして、淡い茶色に色づけばよい。マリネ液を注ぎ、高圧にセットした圧力鍋のふたをセットする。火を強めて圧力をかける。高圧になったら火を弱め、10分火を通す。

火を止めて、そのまま自然放置して鍋中の圧力が下がるのを待ちながら、さらに余熱で火を通す(冬場で約40分)。

4 ロールを鍋から取り出し、タコ糸をはずす。

1㎝厚さに切り分け、器に盛る。

煮汁は、目の細かいざるなどで漉しながら小鍋に移し、再度中火にかけて約1/4量まで煮詰める。Aの調味料と香辛料を加え混ぜてソースにする。ロールに添えて食卓へ。

でき上がり。翌日もおいしくいただける(十分に冷めてから、冷蔵保存のこと)。

☆次回は、来年1/12更新の予定です。

●鮫島正樹(さめじま・まさき)
料理家、メニュー開発コンサルタント。故・入江麻木氏に師事、ヨーロッパ家庭料理と伝統菓子を学ぶ。1983年に独立、「フード アート アンド デザイン シィ」を立ち上げる。以降、NHK「きょうの料理」講師をはじめ、欧風家庭料理をベースとした健康派のレシピを、作る楽しみとともに発信。近年は自らの暮らしと照らして、中高年のための食卓提案に力を注いでいる。著書に「魅惑の欧風菓子」(主婦と生活社)、「食べてきれいになる137レシピ」、「三ッ星サラダBOOK」(ともに世界文化社)ほか。今年もよく作り、よく食べ、よく飲んだ。それもこれも健康あってのこと。来る年も、この調子で進みたいもの。年末年始は自制、節制。

◇小鮫(こさめ)
鮫島スタジオを取り仕切る、古参の助手。師匠にも、容赦ない毒舌を浴びせること度々。無類の甘党。◇今年こそは、と早目に掃除スタートも、寒波に進行は滞り気味。こりゃ、戌年に持ち越しの予感……。まずは、風邪引き注意ということで。

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鮫島式 シニアごはん

料理研究家の鮫島正樹さんが、ふだんの食生活とレシピを公開します。

ブログ著者

鮫島正樹

(さめじま・まさき)料理家、メニュー開発コンサルタント。1951年生まれ。
故・入江麻木氏に師事、ヨーロッパ家庭料理と伝統菓子を学ぶ。
1983年に独立、「フード アート アンド デザイン シィ」を立ち上げる。
以降、NHK「きょうの料理」講師をはじめ、
欧風家庭料理をベースとした健康派のレシピ、作る楽しみを発信している。
近年は特に、中高年のための食卓提案に力を注いでいる。無類のワイン好き。

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