ジューシーでヘルシーな、今風「キエフ風カツレツ」(再掲載)

欧風家庭料理の親しみやすい味わいと「よそ行き=ごちそう」感は、いつでも、いくらでもごちそうが手軽に買えるようになった今でも、捨てがたい魅力に満ちています。

今月は、僕がかつて学んだ中で、形を変え、作り方を工夫しながらずっと大切にしてきたひと皿を、再発信します。

ウクライナ名物の鶏肉料理を、ぐっとヘルシーにアレンジ。

中身は香味バターのかわりにチーズとレーズンを、揚げるかわりに焼いて仕上げました。

オリジナルの「キエフ風カツレツ」は、
鶏の胸肉やささみを開いて、パセリなどを混ぜたバターを包み、衣をつけて揚げます。
ナイフを入れるとバターが溶け出して、得も言われぬ香りが漂います。
淡白な鶏肉をリッチにいただくひと皿です。

香味バターは、あらかじめ棒状に固めておく必要があるのですが、この手間を省きたい。
そこで、シュレッド・チーズとレーズンを使います。

鶏肉は厚みを4等分し、切り離して2枚にします。
通常の観音開きとは違う手順ですが、あまり神経質にならずにトライしてみてください。
でき上がりの姿が美しくなります。

また、ロシアのカツレツは日本のように油の中を泳がせるのではなく、
少なめの油で外側を色づけ、オーブンで中まで火を通します。
今回はヘルシーに、衣をまぶした後、
いきなりオーブン(またはオーブントースター)で焼くのがポイントです。

皮や余分な脂を取り除いても、鶏肉は驚くほどジューシーで柔らか。
とろりとしたチーズと自然な甘さのレーズンがとてもよく合います。
ソースやケチャップがなくても、刻みパセリとレモンだけで十分においしくいただけます。

鶏胸肉を見直すこと請け合い! さっぱりとしていながら、食べ応えあり。
二度に一度は、揚げものを控えてこの手の献立にしたいものです。

 

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キエフ風カツレツ 材料(2人分)

鶏むね肉 1枚(200g)
塩 小さじ1/3
こしょう 少々
パン粉 カップ1/3
溶き卵・小麦粉 各適宜
パセリ(みじん切り) 少々
レモン 1/2コ
A シュレッド・チーズ 30g
レーズン(さっと湯をくぐらせ、ざるに上げる) 約15粒

1 鶏むね肉は、皮と余分な脂肪を取り除く。

鶏肉をまな板に縦に置き、右端に包丁を当てる。
厚みの1/4を目安に、刃全体を寝かすようにして、左方向にそぐ。左端まで開く。

次に、残った右側の肉を開く。今度は、厚みの1/3に包丁を当て、同じ要領で開く。
開き終えたところで、縦に切り離す(=薄切り肉が1枚できる)。

さらに、残った肉を半分の厚みに切り開く(=2枚目の薄切り肉ができる)。
2枚に多少、大小の差ができてもかまわない。

それぞれの鶏肉の両面を、包丁で格子状にたたく。内面に塩とこしょうをふる。

2 1の鶏肉の中央に、シュレッド・チーズとレーズンを等分にのせる。

3 鶏肉を手前から巻く。とじ目に小麦粉少々をふり、しっかりと押さえる。
洋梨の形をイメージするとよい。


全体に、塩、こしょう、小麦粉各少々をふる。溶き卵とパン粉を順につける。
天板に並べる。

4 オーブントースターをあらかじめ高温にセット、天板を入れて8~10分、
焦がさないように焼く。焦げるようなら、ホイルをかぶせる。
(オーブンの場合は、あらかじめ220℃で予熱、天板に肉をのせて10~12分、焼く)。
器に盛り、好みの野菜(ここでは、さっとゆでたにんじんに、塩と酢、オリーブ油をかけたもの)と
半分に切ったレモンを添える。パセリをふりかけてでき上がり。

 

●鮫島正樹(さめじま・まさき)
料理家、メニュー開発コンサルタント。1951年生まれ。故・入江麻木氏に師事、ヨーロッパ家庭料理と伝統菓子を学ぶ。1983年に独立、「フード アート アンド デザイン シィ」を立ち上げる。以降、NHK「きょうの料理」講師をはじめ、欧風家庭料理をベースとした健康派のレシピ、作る楽しみを発信している。近年は特に、中高年のための食卓提案に力を注いでいる。ワイン好き。欧風料理の定番も、時代とともにヘルシーに。手前味噌ながら……キエフ風カツレツを改めて作ってみて「うまいっ!」。

◇小鮫(こさめ)
鮫島スタジオを取り仕切る、古参の助手。師匠にも、容赦ない毒舌を浴びせること度々。無類の甘党。キエフ風カツレツを始めとする、鮫島の欧風十八番。手が込んでいなくても、一品でも家庭料理がある豊かさよ。今更ながら、感謝。

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鮫島式 シニアごはん

料理研究家の鮫島正樹さんが、ふだんの食生活とレシピを公開します。

ブログ著者

鮫島正樹

(さめじま・まさき)料理家、メニュー開発コンサルタント。1951年生まれ。
故・入江麻木氏に師事、ヨーロッパ家庭料理と伝統菓子を学ぶ。
1983年に独立、「フード アート アンド デザイン シィ」を立ち上げる。
以降、NHK「きょうの料理」講師をはじめ、
欧風家庭料理をベースとした健康派のレシピ、作る楽しみを発信している。
近年は特に、中高年のための食卓提案に力を注いでいる。無類のワイン好き。

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