俳句をつくろう!「今日つかいたい季語」(60)

2019年4月3日

 

「日永・永き日(ひなが・ながきひ)」

 

春分の日を過ぎると夜よりも昼間の時間が長くなります。一番昼の時間が長いのは「夏至」(2019年は6月22日)ですが、冬から春になり、日の長さを実感するのは春。「日永」は春の季語です。「永き日」ともいいます。

 

永き日や欠伸うつして別れ行く   夏目漱石

(ながきひやあくびうつしてわかれゆく なつめそうせき)

 

夏目漱石といえば小説家という印象ですが、文人俳句の作家としても代表的な一人です。

この句は、明治29年、漱石が松山を去るときに高浜虚子(たかはまきょし)に贈った句。春のゆったりとした午後に別れ行く二人は、別れ際に欠伸をするような気の置けない関係であることも伝わってきます。「永き日」のうららかな景色の中、さらりとした別れからゆっくりとさびしさが迫ってくるようです。

 

2019年 4月3日 水曜日(旧暦2月28日)

【二十四節気】 春分(しゅんぶん) 2019年3月21日~4月4日

昼夜の長さがほぼ等しくなる

【七十二候】 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

2019年3月31日~4月4日

雷鳴がとどろき始めるころ

暦について

新暦(太陽暦)は地球が太陽の周りを一周する期間を一年と設定しているのに対して、旧暦(太陰太陽暦)は月の満ち欠け(朔望月・約二十九.五日)によって一か月を決め、その十二か月分を一年(三百五十四日〈純粋な太陰暦〉。新暦の一年より十一日ほど短くなる)と設定し、約三年に一度は閏月を入れる(例えば五月と閏五月のように同じ月二度繰り返す)ことで、一年の長さのずれを調整しています。

二十四節気・七十二候について

地球が太陽の周りを一周する一年を、古くは冬至を起点(近世からは春分を起点)として二十四等分したものが二十四節気です。

さらに一節気を三等分したものが七十二候です。(一節気は約十五日、一候は約五日)。それぞれにはその時候を表す名称、自然事象に託した言葉がつけられています。

 

著者 俳人・田口茉於&NHK俳句編集部

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俳句作りのポイントは季語(季節の言葉)と五七五のリズム。今日つかいたい季語に出合ったら一句詠んでみませんか。

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